毎月分配型の投資信託は資産運用効率が悪い本当の理由

ここでは、投資信託初心者の方が陥りやすい、販売する側だけ
が儲かるいわゆる「買ってはいけない」投信の例を紹介します。

【毎月分配型の投資信託は資産運用効率が悪い本当の理由】

投資信託の中でもとりわけ人気が高く、多くの商品が販売され
ているのが、毎月分配型(毎月決済型)と呼ばれる投資信託。

「毎月のお小遣いが少し増やせますよ」という謳い文句を掲げ、
パンフレットには分配金の実績を強調しているものが多くあり
ます。

パンフレットには、これまでの分配実績として「4月に70円」
「5月に70円」「6月に70円」・・・といった具合に過去
の分配金の実績が掲載されていますが、この目先の毎月分配金
というものが、実はとても怪しいものなのです。

上記は、1万口あたりでもらうことのできる分配金のため、仮
に1万円の投資信託を100万口(100万円分)購入した場
合、分配金は70円を100倍した金額の7,000円がもら
える計算となります。

いうなれば「100万円を投資すれば、毎月7,000円ずつ
お小遣いをもらうことができますよ」というように、いかにも
お得だといったセールストークが展開されているようです。

さらに、毎月の定期分配金に加えて「ボーナス分配」と呼ばれ
る分配金を出す投信もあり、ボーナス分配月には毎月の分配金
に加えて200円の分配金を出すため、年に2回のボーナス分
配金は2万円となり、これもお得感を演出する要因に。

しかし、毎月分配金をもらえるのは嬉しいことなのかもしれま
せんが、ではこの分配金、どこから出てきているのでしょうか。

実はこの「分配金」の原資は自分が投資したお金なのです。

分配金が支払われると、その支払われた分だけ投信全体の資産
が減るため投資信託の基準価額が下がる結果に。

仮に基準価額が1万口で1万円のときに800円の分配金を出
せば、基準価額は9,200円に下がるため、多くの分配金を
出す投信の基準価額をみていると、よくて横ばい、下手をすれ
ば下落傾向にあるものも多くあります。

分配金をもらえば自分の資産が増えたように錯覚してしまいそ
うですが、『保有する資産の総量自体が増えるわけではありま
せん』

総資産が増えないどころか、分配金を受け取るたびに税金が差
し引かれるため、実際には税金分だけは確実に資産が目減りし
ていってしまいます。

複利効果も期待できませんから、分配金を毎月こまめに受け取
るタイプの投資信託は、資産を増やす上では損といえます。

極論すれば、『証券会社や銀行に手数料を支払って自分の資産
の一部を「分配金」として受け取っているようなもの』です。

パンフレットに書かれている「分配金実績」はあくまでも過去
のデータで、運用成績しだいでは金額が変動することもあるた
め、老後の「安定収入」にはなり得ません。

分配金の受領額は預金の利息のようにあらかじめ決まっている
ものではないからというのが、その理由。

毎月分配型の投資信託の中には、運用成績が悪くても分配金を
無理矢理出す商品もありますが、これは自分の資産を無理に吐
き出しているだけに過ぎず、ますます基準価額が下がる要因と
なってしまいます。

分配金をもらう回数や金額が多ければ多いほど投資効率は落ち
るため、毎月分配型の投信と、1年に1回だけ分配金を出すタ
イプの投信(1年決算型)の基準価額の推移を比べてみると。

毎月分配型の投資信託は分配金を出すたびに基準価額が下がる
ために、元本が増えていてもその増加分を相殺してしまい、1
年後の基準価額はほぼ横ばいのまま。

一方、1年決算型の投資信託は、毎月分配型であれば分配して
しまっているお金が再投資されるため、複利効果が高くなった
結果、基準価額は順調に伸びていきます。

スタート時点の基準価額を100と仮定して1年後の基準価額
を比較すると、3割も1年決済型のタイプが上昇している投資
信託もあります。

それでも、「毎月分配金をもらっているのだから、基準価額が
上がらなくても問題ないのでは?」と思われる方もいるかも知
れませんが、たとえ分配金を加えても1年決算型の投資信託の
方が有利なことには変わりありません。

100万円を投資して1年後の両者の違いは次の通りです。

1年決算型・・・値上がり益35万円+分配金5,000円の
        合計35万5,000円の利益(課税前)

毎月分配型・・・値上がり益2万円+分配金30万円の、合計
        32万円の利益(課税前)

同じような条件にも関わらずこれだけの差がつく理由として、
1年決算型は毎月分配型よりも運用できる総資産が常に多い状
態が続くためです。

毎月分配型の最大のデメリットは、『分配金を出した分だけ投
資効率が落ちる』という点。

しかもこの数字は課税前のもののため、毎月分配型は受け取る
たびに税金がかかるため、差はもっと大きくなる結果に・・・。

さらに、毎月分配型の投資信託は手数料が高いこともデメリッ
トのひとつで、毎年かかる信託報酬が年率1.5%を超える商
品もあり、仮にこの投資信託を買うと、100万円の元本に対
して、実に毎年1万5,000円もの手数料が差し引かれます。

毎月になおせば、1,250/月の手数料を支払い、自己資産
(自分のお金)を預けて、7,000円程度の『自分のお金』
を毎月のお小遣いとして受け取っているようなものなのです。

もちろんこれに、販売手数料や税金(毎月)を支払っているな
どと分かれば、誰もこんな商品など買いませんよね。

資産を増やしたいのであれば、分配金の出ない低コストの投信
を購入して運用し、必要に応じて年に数回にまとめて解約して
いく運用方法の方がよっぽど効率的。

しかし、「そんなマメに運用などできない」「管理が面倒だ」
と思われる方は、『手数料を払いながら自分の資産を取り崩
せる毎月分配型投資信託』『元本割れを覚悟の投資信託』に、
自分の資産を預けるのもよいかもしれません。

ただ、そんなことを思う人はいないでしょうから、なおさら今
すぐ使う予定のないお金を、毎月分配型の投資信託で運用する
のは効率が悪すぎ、これから資産を増やしていきたいのであれ
ば、毎月分配型の投資信託はオススメできません。

分配金をたくさんもらっても、損をすることさえある投信は、
基本的には『基準価額の値動き』と『分配金』で損益が決まる
しくみになっています。

基準価額の値動きは、投信を買ったときよりも基準価額が値上
がりしているか、あるいは値下がりしているかという点がポイ
ントとなります。

これが売却時にどのような影響を及ぼすかといえば・・・。

値上がり時・・・売却益(キャピタルゲイン)

値下がり時・・・売却損(キャピタルロス)

というような状況になり、とくに外国債券や外国株式に投資を
するタイプの商品は為替変動の影響を強く受けることから、注
意が必要となります。

分配金をいくら多くもらっても、投資先通貨であるドルやユー
ロなどが暴落して超円高になってしまえば、かなりの損失がで
ることも十分にあり得ます。

このため、投資の判断をする際には、基準価額と分配金のどち
らか一方だけを重視するのではなく、両方を総合的にみて判断
する必要があるといえるでしょう。

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