まったくうまみがない合併会社株
会社合併のニュースの決まり文句に「これで業界第○位の大企業となり
ます」というのがあります。この言葉を聴くと、無敵の大企業誕生か?
と思ってしまいますが、実態はその正反対なのです。
一時的に、株価は上昇しますが、ここで買うのは愚の骨頂です。
なぜかといえば、「合併する理由」を考えてもらえばわかっていただけ
ると思います。なぜ合併するかといえば、単独で会社を運営することに
危機感を覚えているからです。
業績が順調で、十分な利益を上げているのであれば、そもそも合併する
必要などありません。業界全体の需要が落ち込んでいるので、「少ない
パイの取り合いをやめましょう」というのが、合併の大きな理由です。
ただし、合併しても両社の利益が合算されるだけで、新味はありません。
しいて言えば中枢部である本社が機能にかかる経費が削減されるので、
その分がプラスアルファの利益になることくらいがメリットです。
企業合併は、広い意味ではリストラと同じことですから、業界全体の需
要が落ち込んでいる限り、業績の回復は期待薄です。
合併する両社が持つ独自技術を合わせることにより、画期的な新商品を
産み出すなど、強いインパクトを市場に与えない限り、業績の回復と株
価の上昇は期待できません。
言葉は悪いですが、例えていうなら、「合併は負け犬同士の結婚」とい
うのが、正しい評価といえるのではないでしょうか。やはり、「合併会
社」の株には手を出すのは、やめておいた方が得策でしょう。