企業が長期成長するか否かは、企業理念次第!?

「企業理念」。普通どの会社にもあるものですが、最近これの重要性を
再認識する企業が増えているようです。

例えば「エーザイ」は、「患者様とその家族の喜怒哀楽を第一義に考え
る」という趣旨の企業理念を会社の定款第2条に記しています。

定款に記し、企業がそれに反する行動を取った場合は、会社法違反とな
り、最悪の場合は刑事罰に問われることとなります。定款は会社の憲法
であり、厳格なものなのです。

「エーザイ」以外では「イオン」ぐらいしか定款に企業理念を記載して
いる企業はありません。そのためエーザイの例はかなり思い切った判断
と言うことができ、エーザイはこれを国内外の社員に浸透させるため、
専門の部署まで設立したそうです。

「薬剤師から見た製薬会社の評価について」何人かの薬剤師さんに聞い
たところ、その方達すべてが「エーザイが最も良い」という評価もある
ようです。同社は気配りが行き届いた営業をしているし、薬の説明も丁
寧親切で、患者さんに投薬する際に助言しやすいというのです。これは
社員に方にもエーザイの企業理念が浸透している証しとなるでしょう。

次は世界トップシェアの企業に肉薄している「東京エレクトロン」につ
いて見てみましょう。この東京エレクトロンも企業理念の浸透に力を入
れています。

同社の会長東哲郎氏の持っている、同社の企業理念が記された冊子には、
自分の理念を書き込む箇所には手書きの文字がぎっちり書き込まれてい
ると聞きます。東氏は自ら国内外の拠点を視察し、その際は企業理念を
社員に直接説いているとのことです。

前述したエーザイや東京エレクトロンのように企業理念の浸透に力を入
れている企業は、残念ながら少数派です。立派な企業理念が書かれた額
縁が受付や社長室に掲げられていても、それは名ばかりということが多
いですし、とある企業で企業理念に関する事を担当者に聞いてみたとこ
ろ「当社にもありますよ、今、資料を持ってきます」と言って部屋を退
出し、なかなか戻ってこなかったということもありました。そしてよう
やく戻ってきたと思ったら、開けた形跡のない分厚い冊子を持ってきた
とういう例も推挙にいとまがありません。

国外の拠点では、文化の違いなどから、日本人幹部が指示を出しても、
現地従業員になかなか理解してもらえないということが少なくないよう
です。中には個人的な意見の押し付けだとして反感を買うということも
あったとか。しかし企業理念が充分に浸透している企業なら「企業理念
項目の2番目に基づいて指示している」と説明するだけで、受け入れや
すくなるそうです。

例えば「日東電工」も企業理念が優れている事で知られている会社です
が、「社内で薬物やアルコールを摂取してはならない」という文言が同
社の行動ガイドラインに記載してあります。日本人には理解しがたいか
もしれませんが、国外ではそのような当たり前のことでさえ明文化して
おく必要があるそうです。

2018年には創業100年を迎える長寿企業である同社は、現在売り
上げの7割が海外事業、グループ企業の従業員の7割は外国人、発行済
株式の4割は外国人株主がそれぞれ占めているそうです。「2030年
を見据えて経営している」同社の社長はそうおっしゃいました。そして
さらなるグローバル化推進のため、企業理念の強化に取り組んでいるそ
うです。

日東電工のCSR&アニュアルレポートの印刷は特定子会社の「日東電
工ひまわり」が請け負っていますが、同社は高齢者9名、障がい者44
名、スタッフ10名の計63名で運営しており、このレポートを心をこ
めて作っていることを記しておきます。

企業理念が盤石な会社はBCPもしっかり機能していますし、この点は
海外進出を成功させるための重要な要素と言えます。また企業理念がし
っかりしているとコンプライアンス遵守にも影響があるのはもちろん、
最終的には企業ブランドの向上にも繋がり、長期的成長を促すことにな
るでしょう。

しかしこれらは短期的な業績にあらわれるものではありません。そのた
め企業理念にまで目を向ける投資家は少ないようで、企業理念について
企業の担当者に尋ねると驚かれることが多いもの。逆に企業理念につい
ての質問をして、笑顔で説明される担当者を見ると、企業理念に誇りを
もっていることを感じるものです。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る