真に強い企業は、いざという時にBCPが機能する

みなさんBCPって知ってますか?BCP(事業継続計画)とは、緊急
事態が生じた時に、事業をできるだけ早く再開するため、予め企業が作
っておく計画のことです。鳥インフルエンザが社会問題になった時に、
策定する企業が増加しました。現在はほとんどの企業が作成済みと思わ
れますが、東日本大震災の際は、残念なことに機能しなかった企業が多
かったようです。

もしもの時にBCPがちゃんと機能し、事業の継続が上手くいくために
は、企業内に日頃から危機管理意識が浸透している必要があります。そ
れができている企業こそが真に強い企業であり、それを見極めることが
重要。

大震災のおり、秩序ある避難生活を送る被災地のみなさんの姿は世界中
から称賛されましたが、企業もがんばっていたのをご存知でしょうか。
賛否両論があるでしょうが、家族と離れて緊急事態に対応した社員の方
々は、日本人のモラルの高さをあらわしています。

緊急事態に強い企業に共通しているのは「現場に権限が与えられている」
ということです。大震災の際、国は権限を被災地に委譲して柔軟で早い
対応を促すことに失敗しましたが、民間では大震災発生直後から優れた
対応を行った企業が多くありました。それらの企業こそ真に強い企業と
言えるでしょう。

例えば東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド)の場合、企業理
念として「自由でみずみずしい発想を原動力にすばらしい夢と感動ひと
としての喜びそしてやすらぎを提供します」を掲げています。

大震災当日、東京ディズニーリゾートでは何万人にも及ぶゲストが一夜
を過ごしたのですが、上からの指示があったわけでもなく、販売商品で
あるお菓子やブランケット、余震の際頭部を守るためにかぶり物を無料
で配布したのは有名な話になっています。その時実際に現場にいたゲス
トだけでなく、この話を聞いた人達も、感銘を受けてリピーターとなっ
たことでしょう。

2013年2月に同社が上場来高値を付けたのも、こうしたことが理由
ではないかと思います。

次に「ローソン」の例を見てみましょう。ローソンは震災直後、商品と
それを運ぶトラックは確保できたのですが、ガソリンが足りないという
事態に直面しました。この時対応は現場に委ねられており、すぐに関西
の拠点から現在の状況に即した案が出て来ました。関係が近いレジャー
施設にガソリンの融通を打診したのです。そのレジャー施設はガソリン
を普段から大量に使い、仕入れルートがありました。交渉の結果、そこ
の紹介でガソリンを確保できたのです。そして震災により不通になった
道路を考慮に入れながら配送ルートを策定、すばやく被災地への商品配
送を成功させたのです。

現場の様子がわからない東京の本社では仕切ることはできません。緊急
事態対応のためにマニュアルを作成している会社は多数にのぼりますし、
緊急事態に備えた訓練を行っている企業も多くあります。しかし企業理
念に基づき、それを実践できる体制になっていなければ、マニュアルは
ただの書物に過ぎません。

「マチのほっとステーションになる」なるというローソンの企業理念が、
ローソンの社員全体に根付いていたため、緊急事態時に社員一人ひとり
がやるべきことを考え、行動に移すことができたのです。

同じコンビニチェーンである「セブンイレブンジャパン」も現場判断で、
「街の明かりがないと地域の人々の不安な気持ちが大きくなる」という
ことで、「震災で営業できなくなった店舗も、使える照明だけは灯す」
ということが行われ、それが被災地の「心の灯」になったそうです。

セブンイレブンは震災時、約600の店舗が被災しましたが、1週間で
190店舗、2週間で490店舗が営業を再開しました。「生活サービ
スの拠点」。これは同社の企業理念の一つですが、まさにそれを実践し
たと言えるでしょう。

震災後、モノが無くなった時でも、コンビニには比較的モノが揃ってい
たことを覚えている方は多いかと思います。コンビニの中には親会社が
商社であることを生かし、商品供給力を強化しているところもあります
が、コンビニ自体が物流に力点を置いていることを忘れてはいけません。
緊急時、地元住民の役に立つ事でコンビニの評判も良くなり、愛着を持
つ人が増えたと聞いています。

コンビニの顧客層は主に若い男性でしたが、震災後は老若男女問わず顧
客が増加しています。

増加の原因すべてが震災時の対応とは言いませんが、BCPをちゃんと
実践できたことが客層の拡大に一役立ったのは事実です。ローソン、セ
ブン&アイ両社が最高益をたたき出し、そのレベルの維持が続いている
のは、そういった日々の積み重ねによるところが大だといえるでしょう。

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