メディアに見逃されている日本株の成長性・可能性とは

日米の景気と企業業績について、正しくは「日本もアメリカも、景気は
よくないものの、一部の企業が成長している」というべきでしょう。し
かし経済関係の新聞記者や金融業界関係者は、口々に「日本は景気が悪
い。だから株価も低迷している」「米国は景気が回復しそうだ。だから
株価が上昇している」を連呼しているように思います。

理由として考えられるのは、国の経済というものは株価に同調するとい
う固定概念があるからでしょう。

NYダウは米国の代表的な株価指数で、グローバル企業を中心とする優
良企業30社を集めて株価を表しているものであり、イコール米国の景
気を表しているわけではありません。

それに対してTOPIXは、東証一部に上場する成熟企業も成長企業も
含む、全ての銘柄を対象とした平均です。言ってみれば時価総額が高い
成熟企業に成長企業が埋もれがちな指標です。

巨大企業の影響が色濃く表れる指標だけを根拠に国の経済の良い悪いを
語ったり、全体だけ・平均値のみを根拠に株価を語ったりすることは安
易すぎではないでしょうか。金融業界の方やプロの投資家であっても、
株価の指標について、前述のような見方をしたことがなかったと言われ
ることがあって驚かされるものですが、グローバル化が進む経済を語る
のに、国別に分けて企業や経済を語ること自体がすでに時代遅れです。

ところがメディアも、こうした時代の流れ・状況を、正確に世に伝えき
れていないのが現状。

日本企業は保有する現預金が過去最高の214兆円(日銀 資金循環統
計より)にのぼりました。その上、歴史的な円高です。保有する資金を
元に海外進出を図る日本企業は激増し、外国企業買収が増えたほか、中
国へ進出した企業は3万社を超えています。それなのに、世界成長を見
据え、積極的にグローバル化する日本企業が増加していることを、日本
国内ではニュースとして取り上げられることがなく、あまり認識されて
いません。

逆にメディアが好んで取り上げるのは、日本経済を長年支えてきた重厚
長大な基礎的産業の動向です。しかし巨大企業が名を連ねる重厚長大産
業の近年の話題といえば、リストラや撤退など、マイナスの要素が多く
を占めます。ニュースの発信側は強く印象に残る話題を取り上げたつも
りかもしれませんが、受け手にはマイナスのイメージばかりが強く残り、
あたかも経済全体が暗いというイメージに包まれてしまうのです。

明るい話が取り上げられないために、ニュースの内容は暗いものばかり。
株価指数は下落する。そして給料についての報道も、天引きされる厚生
年金保険や健康保険が増えていることに加え、新興国から低賃金労働力
が供給されている影響で日本の賃金水準も下がるなど、明るい要素があ
りません。これでは人々の、日本経済に対する心理が冷え込むのは当た
り前でしょう。

個人投資家を対象とする専門家のアドバイスは、往々にして「成長が期
待できる新興国の株式にリターンを求めるべき」「日本株は低成長なの
で期待が薄い」という日本株否定の傾向にあります。

ところが、新興国の成長によるリターンを得る手段として、直接投資以
外の手段はあまりメディアを通じて着目されていないものです。たとえ
ば「新興国で成功している先進国企業」への投資も視野に入れたらよい
のに、と思います。その地域の成長によって利益を上げる日本企業に投
資すれば、新興国の成長パワーを享受できます。さらに言えば、為替リ
スクを負う必要もありませんし、企業業績や関連情報を集めたい場合に
も、新興国の企業情報を集めるのに比較してスムーズです。

日本株の中で業績好調な優良銘柄を見つけるには『会社四季報』を見る
のが得策です。上場企業の決算データなどが網羅された『会社四季報』
は、全体をさらりと眺めるだけでも右肩上がりの企業がわかります。

こんな簡単な「手法」が軽視され、成長企業が数多く存在すること、引
いては日本株でリターンを得るチャンスが多いことが見逃されていると
は、なんとももったいない話です。

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