外資系証券会社の投資判断に踊らされたソフトバンクと個人投資家

証券会社の経営は、投資家が株式取引をした際の売買手数料による収入
だけで成り立っているわけではありません。自らの社内のディーラーに
よる株式の売買による収益も重要な経営の柱の一つです。

つまり、優秀なディーラーが多く在籍していれば、それだけ儲けも増え
ます。ただ、ディーラーの儲けにも限度がありますので、さらに収益を
アップさせようとすれば株価操作するしか方法はありません。それが外
資系証券会社が得意とする格付けや目標株価の設定と合わせた株価操作
なのです。

証券会社がある銘柄の空売りを仕掛けた後に、その会社の格付けを引き
下げれば、それに反応した個人投資家が手持ちの株を決済するため、株
価は自然と下がります。目標株価を合わせて設定しているケースは、そ
の水準まで下がることもしばしばです。そこで、空売りしていた分をす
べて買い戻すと、その差額分が証券会社の儲けとなります。

目標株価というのは、証券会社の「目標」なのではないかと勘繰ってし
まうような値動きをします。その後の株価は元に戻ることもあれば、安
値圏で停滞することもあります。その様子を見ながら、証券会社は次の
手を打ってきます。

株価が上昇していれば、再度空売りを仕掛けて、その直後にもう一度格
付けを引き下げたり、目標株価をさらに下に置いたりします。株価が低
い水準のまま推移していれば、今度は大量に買った後で、その会社の格
付けを引き上げるように見直しをすればいいのです。こうすれば、その
後の株価の値動きがどのようになっても、証券会社はさらに儲けがふく
らみます。

これが外資系証券会社がやっている株価操作の概要です。上がる前に買
っておいたり、下がる前に売っておいたりするだけのいたってシンプル
な方法ですが、短期で確実に儲かる方法です。実際には、2006年の
7月から9月にかけて、ソフトバンク株が外資系証券会社の格付け見直
しにつられるように乱高下した時期がありました。

これは、この年の7月に、メリルリンチ証券が当時2500円あたりで
推移していたソフトバンク株の投資判断を「売り」として、目標株価を
1800円に設定したことに端を発したものです。ほんの10日程度の
間に700円近く下がって目標株価に近い水準に達しました。

その後は1か月ほどの間に株価は急落前の2500円ほどまで回復して
います。2500円で空売りして1800円で買い戻せば700円の利
益が出ていたはずで、メリルリンチ証券は、売りと買いの往復で儲かっ
た可能性もあります。

さらに、8月の終わりにもう一度「売り」の投資判断をします。このと
きにはなんと同日にリーマンブラザーズ証券も目標株価を900円と設
定したのです。2社の売りの判断により、株価は数日で大きく下げまし
た。相乗効果で、個人投資家のろうばい売りを誘ったものと思われます。

このように、外資系証券会社や外資系ファンドは、時には単独で、時に
は協力して、株価操作を行っている可能性が否定できません。個人投資
家は、格付けや投資判断に弱く、過剰に反応する傾向があります。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る