インサイダー取引がなかなか規制されない日本の現状

インサイダー取引は証券取引法違反のれっきとした犯罪です。それにも
かかわらず、日本国内、世界各国の株式市場でインサイダー取引が後を
絶ちません。

新規の株式公開のときに株価が不審な動きをすることはそれほど珍しく
はありません。また、業績が好転するようないい材料が発表されて株価
がストップ高をつけたり、逆にニュースで取り上げられるような重大な
問題が発生してストップ安をつけるような状況のときは、その少し前の
時点ですでに株価がその方向にじわじわ動いているものです。

これは後になって気がつくことですが、事前に情報が漏れている、すな
わちこれがインサイダー取引の実態。

外国に目を向けると、イギリスはいまだにユーロも導入しないなど、ポ
ンド危機以来、金融面での規制や管理が厳しく徹底されている国として
有名です。そんな国でも、上場企業のM&Aによる合併の際、3分の1
から4分の1という極めて高い割合で公表前に株価が妙な動きをしてい
たことが調査の結果わかっています。事前に内部情報を知りえた人物に
よる不正なインサイダー取引の可能性が濃厚。

厳しく管理されているイギリスですらこのような状態なので、欧米諸国
より規制が甘い日本では、ほぼ野放し状態でインサイダー取引が行われ
ている可能性も否定できない状態となっています。

実際、ある企業にとって好材料、悪材料が発表される数日前からその銘
柄の株価が怪しい動きをすることは珍しくなく、急に出来高が増えたり、
株価が大きく動いたりするので、素人目にも不審な動きに見えるケース
が多くあることも・・・。

企業業績の上方修正や下方修正の情報は、発表の何日も前に会社内部で
はわかっていることなので、情報も漏れやすい傾向があり、頻繁にイン
サイダー取引と考えられる値動きが見られます。

世界各国には、インサイダー取引を規制したり取り締まったりする組織
が存在します。日本にも、証券取引等監視委員会がありますが、金融庁
が証券会社や大口の投資家の意向を無視できないのか、有名無実化して
いるのが現状。

アメリカの証券取引委員会が投資家の保護を目的に設立されて、きっち
りと監視しているのとは全く違います。日本国内のインサイダー取引に
ついては、あまりに明白で悪質なものは摘発されます。

とはいえ、それにしても金融当局が自ら動き出すわけではなく、第三者
からの通報などがあって初めて重い腰を上げるような状態です。そんな
わけで、通報があるわけでもなく、誰がどのような経路で情報を仕入れ
たかもわからないようなケースでは、証券取引等監視委員会も動きよう
がなく、積極的に動こうともしないので、結局おとがめなしになること
が多いのです。

このため、日本は諸外国からインサイダー取引天国とも揶揄されている
のです。実際に摘発されるケースは、氷山の一角と言ってもいいほど、
ほんの一部に過ぎないのです。これらは素人の個人投資家には関係のな
い話で、会社の内部の者とそれを上手に利用できる大口の投資家などの
事前に有益な情報を得た限られた人だけが得をする世界であり、不公平
感は否めません。

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