株価の動きは経済だけでは予測できない

新しいことを始めるときにまずすることは、情報を集めて知識を蓄積することです。これは、投資信託の場合も同様です。大切な自分のお金を予備知識なしで、金融機関の言いなりでファンド購入はしませんよね。

まずは、情報と知識を蓄積し、その情報を分析して、どのファンドが狙い目かを見極めてからファンドの購入をするわけですが、それでも失敗することはあります。

一つ例をご紹介します。定年退職したある男性が、退職金の運用を思い立ちました。その方は勉強熱心な方で、金融・経済関連の雑誌・書籍を読んで投資先を決めました。それはベトナムです。

取引口座を持つ数社の金融機関に相談したところ、いずれも「期待できる」との解答でした。そこで、数年前にベトナム株のファンドを購入しました。

しかし、思惑とは裏腹にベトナム株は大幅に下落し、この方は投資額の大半をなくしてしまいました。原因は「ベトナム経済は、インフレに弱かったため」だそうです。予想もしていないことでした。

さらに付け加えますと、ベトナム株式の市場規模も原因のひとつにあげられます。ベトナムの株式市場は世界的に見ても小規模な部類であり、景気が良かったころは日本マネーが50%をシェアしていました。

要するに、日本マネーがベトナムの株式市場に入ったことにより、株価が上がっただけで、ベトナム経済の実態は反映されていなかったということです。

ある程度株価が上がって儲かったファンドは株を売却します。それが続くと、株価は加速度的に急降下します。損切りで売却したファンドも多かったと思われます。

金融関係の雑誌のイチ押しや金融機関のオススメで購入するのは問題外ですが、この方は一所懸命に勉強して、ベトナム経済にもかなり詳しくなっていました。それでも失敗する場合があるのです。

なぜなら、投資≠経済だからです。株価は経済状況とは関係なく動くことがあるのです。特に新興国のように小さい株式市場では、投機マネーで、株価が上下するリスクがあることを知っておく必要があります。

経済情勢について熱心に勉強しても、投資ファンドを慎重に検討しても必ず利益が上がるとは限りません。特に、成長業種が偏っている新興国には注意が必要です。

一時、原油高騰で急成長を遂げた中東のファンドが人気になりました。世界中、原油がなくては経済活動が成り立たない時代です。産油国なら安定して利益が上がるだろうと、ファンドを購入しました。

その矢先に「アラブの春」と呼ばれた民主化運動が起こりました。この政治的混乱が原因で株価は下落し、エジプトでは取引所が閉まったままで、換金さえできないということもありました。

これは、中東の政治情勢に疎かったのが原因です。このように、予想もできない事態が起こるのが投資の世界です。しっかり勉強したつもりでも、全てを知ることはできません。

以上のような事例から、分散投資などのリスク管理の重要性を理解していただけたことと思います。

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