経済成長のため、日本が成すべきこと・目指すべきこと

日本の経済成長率は極めて低い状態にあり、潜在成長力も残念ながらゼ
ロに近い水準です。それでも悲観することはありません。探せば経済成
長する要素は見つかります。

経済学者アンガス・マディソンが世界のGDP比率(世界のGDPのう
ち各国のGDPが占める割合)の推移と、先の予測データを発表してい
ます。ちなみに経済力は国力に反映されるものですから、GDP比率が
高いということは、その時代の世界経済をリードする国であるといえま
す。

1900年以降、比率が高いのは言うまでもなく米国です。しかし20
06年には中国が17%を占めるまでになり、2030年には中国が約
18%、インドが約10%になると予測されています。対して日本はと
いえば、1990年に約9%を占めていたものの、その後次第に小さく
なり2030年には約4%になるとされています。

しかし、日本はアジアで唯一の先進国です。日本企業には長年培った技
術力や経営ノウハウがあります。中国やインドを擁するアジアで、立地
や国家間のつながりを活かしながらビジネスを展開できるのは強みです。
アジア全体を内需という発想があれば、アジアで活躍する可能性がある
日本に、成長のチャンスがあると言えます。

また人口と経済の関連性に着目してみましょう。人口の減少はマイナス
成長につながるとの考え方がありますが、それも発想の転換でプラスに
転じさせることが可能です。

日本は先進国の中で、最も早い時期に高齢化が進んだ国です。15歳以
上65歳未満の人口を生産年齢人口といいますが、日本は早くも199
2年に社会保障を受ける側の人口が生産年齢人口を上回りました。米国
は2007年、欧州では2010年のことでした。

生産年齢人口がピークを越えた時とは、日本の1992年はバブル崩壊
直後。米国はリーマンショックの1年前。欧州はギリシャショックの年
でした。いずれも経済がマイナスに転じるポイントとほぼ一致します。
ほか、2012年に生産年齢のピークを越えた中国経済も失速していま
すし、2015年にピークを迎える韓国も景気悪化が叫ばれています。

これらのデータから人口構成は経済に大きな影響を与えることがわかり
ますが、日本は先に高齢化を経験している分、困難を乗り越える策を早
い時期に確立することで他の先進国にさきがけた景気回復を図ることが
できると考えられます。

先進国では労働力が減少し、一方では新興国の労働力が増える傾向にあ
り、ASEAN加盟国では2020年以降に、アフリカは2050年以
降に生産年齢人口がピークを迎えるとのデータがあります。2050年
ごろまでは、おのずと「世界経済は先進国で不足する労働力を新興国が
カバーすることで繁栄する」との図式が成り立ちます。すなわち、先進
国の企業は自国の少ない人員で、新興国の労働力を活用しながら利益を
最大化するスタイルへと変遷するでしょう。日本がこのスタイルを確立
すれば、大きな成長が見込まれるというものです。

一方で、企業の海外進出による国内の空洞化を懸念する意見もあります
が、海外で利益を上げて経済が潤えば、日本国内の研究機関に投資する
余裕が生まれます。ここで研究開発に関連する雇用が新たに生まれるこ
とも考えられます。

また新興国で中間所得層が増えれば、日本企業のマーケットが新興国内
で拡大することも期待できます。

ほか日本には観光立国を目指すという、過去にはなかった成長戦略も描
かれています。観光立国フランスには年間7680万人の外国人観光客
が訪れ、観光が一大産業となっています。フランスをお手本に、日本も
2010年に861万人であった外国人観光客を2020年に2500
万人まで増やす目標が掲げられました。欧米にはない個性を持つ食文化
と豊かな観光資源を背景に、観光を大きな産業に育て上げることは、あ
ながち夢ではないでしょう。

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