無料の「コンシェルジュ」なんてありえません!

最近、金融機関による「○○コンシェルジュ」や「○○プレミアム」、
「プライベートバンキング」などといった高付加価値を謳う宣伝が増え
てきました。これらの広告から伝わってくるイメージは「上質なサービ
スをあなただけに提供します」といった事でしょう。整理券を取り、人
でごった返す受付前で待つイメージなどは微塵もありません。

本来、「プライベートバンキング」とは、富裕層向けに預かり資産に関
する様々な上級サービスを提供する事を言います。預託されている金融
資産や不動産などの管理や運用についての助言を行ったり、相続などに
関する手続きの代行などを行ったりするのがサービスの主な内容で、海
外に多く見られます。

また、「コンシェルジュ」とはホテルにおける職種の一つで、高級ホテ
ルなどで多種多様な、時には無茶と思える宿泊客のオーダーに応えてく
れる、そのような仕事です。「プレミアム」という言葉はこうした上質
なサービスの総称と捉えればよいでしょう。

映画の中でしか見た事がないような、超が付くような富裕層向けのサー
ビスを、私たち個人が受けられるのか、疑問に思うでしょう。

結論から言えば、みなさんが超富裕層でもなければ、残念ながらこのよ
うなサービスを受ける事は出来ません。よくよく考えてみれば分かるの
ですが、サービスを提供するための「コスト」が捻出できないからなの
です。

上質なサービスを提供するためには、手数料が必要となります。富裕層
に助言を与えられるほどの人たちというのは、高学歴か非常に優秀な人
たちでしょう。そうした人たちに払う給料も高額になります。

例えば、預かり資産の1%を手数料として支払うプライベートバンキン
グがあるとします。100億円を預け入れれば手数料は1億円。それな
らば上質なサービス提供も可能でしょう。しかし、1000万円の預け
入れ資産だとすると、その1%は10万円。それでは上質なサービスな
ど望むべくも無いでしょう。

かつて英国大手のHSBCがプレミアムサービスを引っさげて日本上陸
した事がありました。しかし、わずか4年間で撤退の憂き目に遭いまし
た。日本の富裕層特有の事情もありましたが、コストが見合わずにサー
ビス提供を続けていけなかったのです。

質に限らず、サービスを提供するからには必ずコストがかかるものであ
り、もし手数料無料を謳っているコンシェルジュサービスなどがあると
したら、手数料とは別の形でサービス提供の為に必要なコストを支払っ
ているのだと知っておく事が重要です。

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