国民にとって期待はずれの日本銀行と金融庁

自動車や工業製品などのものづくりにおいては、第二次世界大戦後の数
十年の間に日本は世界でもトップクラスに登りつめました。しかし、こ
と経済や株式投資などの分野では、日本は今なおアメリカやEUなどの
欧米諸国の後塵を拝しています。

G7やG20などの各国の財務相・中央銀行総裁会議の席でイニシアテ
ィブを取るのはアメリカやEUの国々ですし、ノーベル経済学賞を受賞
した日本人がいまだに1人もいないことも、経済学と金融政策が苦手な
日本人を象徴しています。

日本と欧米諸国の違いは株式市場への監督省庁のかかわり方にも表れて
います。アメリカ証券取引委員会(SEC)は、投資家保護に力を入れ
ていて、一部の投資家を優遇する従来のやり方を禁止し、公平な株式投
資を進めることに成功しました。一般の個人投資家が不利益をこうむら
ない方法を推進することで健全な株式市場が維持され、市場の盛況につ
ながっています。

一方、日本では個人投資家の保護はなかなか進展せずに一部の機関投資
家や大口の投資家が幅を利かせる状態が今も続いています。金融庁が率
先してマーケットの育成に取り組まなければならないのに、遅々として
進んでいない状況は、個人投資家の株離れを助長することになり、せっ
かく軌道に乗ってきたネットでの株の取り引きとマーケットの拡大への
機運がそがれてしまうことにもなります。

また、日本銀行の経済政策にも問題が多々ありました。失われた10年
とも20年とも言われる1980年代後半からのバブル期とその崩壊、
さらにその後の日本経済の停滞の原因はいくつかありますが、日本銀行
が正しい選択をしていれば、これほど長引かずに済んだのではないかと
いう意見も多くあります。

バブル崩壊時の銀行の不良債権の適切な処理と指導を誤ってしまった結
果、日経平均株価もピーク時の38915円に比べて5分の1の水準ま
で落ちるほど、経済は大きく落ち込みました。

日銀の経済政策の大きな柱は、インフレの抑制です。自民党の安倍政権
のもと、アベノミクスとしてインフレターゲットを設定したのはつい最
近のことです。それまではインフレ阻止にこだわるあまり、デフレが止
まらず景気の回復にも無理が生じていました。会社の倒産や失業者の増
加を引き起こし、さらに景気が悪くなるデフレスパイラルにより、日本
経済が世界から取り残されていたのです。

2000年や2006年のゼロ金利解除についても、日本経済の回復を
目指したものというよりも、日本銀行のプライドのための政策と言え、
その政策の中に、日本国民や投資家の存在は全く意識されていない点が
悲しいところです。

欧米諸国の金融政策は、各国の国民やその国の経済、投資家のことを第
一に考えて実施されていますが、日本の金融政策はまず体面重視なので
す。こういった政策は、勢いのある第二次世界大戦後の戦後復興や高度
経済成長期にはどうにか機能していたものの、バブル崩壊のときのよう
に一度歯車がくるってしまうと、立ち直りのきっかけすら見出せないま
ま、身動きが取れなくなってしまうのです。現状の日銀と金融庁は、国
民にとってまったく期待外れとなっています。

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