アクティブファンドの運用成績が悪い理由

アクティブファンドには「ベンチマーク」と呼ばれる指標があります。これは、ファンドの騰落率を評価するための指標で、多くのアクティブファンドはTOPIXを指標としています。TOPIXの騰落率をファンドの騰落率が上回れば、ファンドは優れた運用を行っていると評価されるというものですが、実はここに、アクティブファンドの運用成績が悪いといわれる要因が潜んでいるのです。

TOPIXが上昇する相場の時は問題ありません。しかし下落する相場の場合、たとえばリーマンショックの時などは市場から資金が一気に流出しましたから、この局面でリターンを上げるのは困難です。しかし、「市場平均が世界的に下がっているからリターンが得られない」という言い訳をしていてはアクティブファンドは評価されません。

TOPIXが4割下げた中、ファンドの騰落率は3割下げたに留まったとします。この場合、かなり上手な運用をした結果であったと想像されますが、投資する立場にしてみればリターンが得られないことを良しとはしません。さらに販売手数料や信託報酬がかかるのですから、納得がいかないでしょう。TOPIXを下回りでもしたら、なおさらです。

ベンチマークとの乖離を「トラッキングエラー」と呼びます。ベンチマークという指標があるために、常にトラッキングエラーを意識せざるを得ないのがアクティブファンドの宿命。

悲しいのは、ベンチマークを下回るのを責められるのは当然として、大きく上に乖離した場合も、期間投資家からリスクの高い運用をしているのではないかと疑われたり、すぐに大きく下回るような運用はしていないかと責められたりすることです。したがって、リターンを最大化するよりも無難な運用を、つまりベンチマークより少し高い成績を目指す傾向が強くなります。

また成長性が期待できない大企業の株もあえてポートフォリオへ加えることがよくあります。大手企業をポートフォリオから外すことでトラッキングエラーが大きくなることを避けるためです。このようにベンチマークが銘柄選びに影響を与えることもよくあります。

さらにベンチマークに縛られることよって投資のタイミングを逃すことも。株価が高騰している時には買いを押さえ、下がった時に買うのがリターンを上げるための鉄則ですが、投資を控えて現金を持つとベンチマークから乖離しやすくなってしまいます。本来ならばリターンを目指すべきところ、ベンチマークと大きく乖離しないことを目標としてしまい、リターンを上げ損なってしまうのです。

個人投資家が、リターンをしっかりと上げてくれるアクティブファンドを選ぶことは容易ではありませんが、数は少ないものの独自の運用方針を持ち、好成績を上げるアクティブファンドもあります。特に日本株に対してはアクティブファンドはリターンを上げる重要な手段ですから、ベンチマークを持たないことを選択基準とするなどしてアクティブファンドを探してみるのもひとつの手です。

一方、日本株と違って高成長期にある新興国の株式に投資する場合はインデックスファンドでもリターンを期待できます。指数を買うという考えの下、投資コストを抑えるのは賢明です。

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