個人投資家は行動経済学を見習って取引を進めること

無条件に100万円を受け取る場合と、2分の1の確率で200万円受
け取れるが、一方で2分の1の確率で1円も受け取れない場合、どちら
を選ぶか一般人に尋ねたとき、多くの人が確実に100万円を受け取れ
る方を選びます。

これはいわゆる行動経済学の考え方です。人間というものは、すでに所
有しているもの、確実に所有できるものを高く評価し、まだ所有してい
ないものや、所有できるかどうかわからないものについては低い評価を
するのです。個人投資家の多くが、含み損が出ている銘柄をなかなか損
切りできずに塩漬けしてしまうのもこのためです。利益確定についても
同じです。だいぶ先の多い利益よりも目先の少ない利益を重視します。

これも同様に、確実に自分のものになる利益を優先するため、伸びてい
る利益を早めに切って確定してしまうのです。他にも自分が買っていな
い銘柄については、低い評価をするため、その後どんどん株価が上昇し
ていっても、全く関心を持たないということももあります。

このほかにも、行動経済学で説明できることが多くあります。選択肢が
たくさんあるときに、人間は迷ってしまって結局何もできずに終わって
しまうということがあります。

例えば、世界同時株安などの際、株価が軒並み暴落して優良株でも、割
安になるほど株価が下がっているケースがあります。こんな場合、安値
圏で買えるおいしい株がたくさんあるのですが、たくさんありすぎるた
め、個人投資家はどれにしようかと悩んでいる間に大口の投資家におい
しいところを持って行かれて何もできずに終わってしまうことがあるの
です。

こういったケースでも、大口投資家は瞬時に対応でき、そこが個人投資
家とプロの大口投資家の大きな違いといえるでしょう。

さらに、行動経済学の面白い実験があります。ある銘柄の売買を行うと
き、アナリストの詳細で件数の多い投資分析の情報や株価チャートやテ
クニカル指標をたっぷり盛り込んだデータを提供したグループと、分析
情報を一つだけ渡したグループに分けて、その後の取引を観察した実験
があります。多くの情報を手にしたグループは、非常に満足げな表情で、
自信満々に取引を続けていきました。この結果がどうなったかと言えば、
実は意外にも、分析情報を一つだけ渡したグループの方が投資成績が優
秀だったのです。

個人投資家は、自分の能力を実際以上に見積もってしまう傾向がありま
す。情報が多いと、予想もしやすくなることから、個人投資家は様々な
要素を分析しつつ、自信をもって取引を進めることが可能となっていま
す。しかしながら、自信を持ちすぎるのは問題で、自信過剰になって、
他の出来事に目を配ることができなくなります。

こうして、投資における冷静な判断ができなくなるため、運用成績の悪
化を招くことになるのです。自信を持ちすぎて判断が鈍るのも、行動経
済学の世界ではよく見られることです。

株式相場を甘く見ていると、確実にしっぺ返しによる暴落が起こります。
どうしても利益が少なく、損失が多い運用成績になってしまうのです。
行動経済学に沿って取引をすれば、じわじわと利益が増えていくのも納
得できる事実でしょう。

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