海外逃避で財政不安が解消できない理由

日本の国家財政が厳しいことは周知の事実です。2010年度の一般政
府総債務残高は1048兆円。日本の財政は1500兆円以上ある個人
金融資産に支えられていると言われるものの、同年度の家計金融純資産
(金融総資産から住宅ローン等の負債を引いたもの)は1115兆円。
一般総債務残高との差がほとんどなくなっているという危機的な状況で
あることは否めません。

この問題を解消するために、2012年8月、社会保障・税一体改革関
連法案が可決・成立しました。今後、段階的に上げられていく消費税で
財政を立て直すというのがこの法案の建て前です。

ところが国家財政という大きな山は、税率を上げるすなわち税収アップ
で問題解消できるなど、簡単に解決できるものではありません。もちろ
んTPP参加や規制改革推進といった成長戦略なども、打てる手は全て
打つべきです。一方でグローバル企業の業績は日本経済と直結していな
いため、独自の成長が期待できるという説は容易に理解できるものの、
海外で成長する日本企業に頼ったところで、財政不安解消とまではいか
ないことでしょう。

財務省が試算した数字では、社会保障の費用見通しは2025年には1
46兆円となるとのこと。2011年が108兆円でしたから、実に1
.35倍の費用が必要となります。これを消費税率を上げるだけで解消
できるのでしょうか。

国家の財政困難は日本だけが抱える問題ではありません。今や先進国な
らばどの国も共通して抱える課題です。そんな状態の先進各国を見てみ
ますと、財政の健全化のためにどこも相当の時間を要しています。最も
問題が切迫しているといわれる欧州では付加価値税(日本でいう消費
税)の税率アップと同時に社会保障給付金額の削減も行われていますが、
未だその効果が表れるには至っていません。

この流れから、日本も社会保障の見直しについて近い将来に着手しなく
てはならないでしょう。日本経済が直ちに財政破綻するとは考えにくい
ものですが、危急度が高い問題に個人の力でも取り組みたいと考えるな
らば、縮小がほぼ確実ととれる公的な制度に代わる備えについて取り組
むのが賢明といえるでしょう。

今後は個人の自助努力が本格的に求められる時代です。こう言い切って
しまうのも少々悲しいものですが「不安をあおる情報に踊らされること
なく、自力で社会生活を送っていけるよう備えることが財政不安への対
策」なのです。

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