「老後の生活資金1億円」って、本当ですか?

一般に老後の生活に必要な資金は1億円と言われています。この金額は平成19年の生命保険文化センターが実施したアンケート調査が根拠になっているようです。

調査結果を簡単に紹介しますと、1月あたりの日常生活費が23万円、ゆとりある生活分として15万円上乗せされて合計38万円。60歳~80歳まで生きると仮定すると38X12X20X=9120万円。

現代医学では80歳以上生きる確立が極めて高いので、この調査結果による老後の生活資金1億円というのも、妥当なところだと思います。しかし、この調査には重大な欠陥があると言われています。

それは、調査対象が「18~69歳の男女」というところにあると思います。60歳以上のリタイア世代の実生活を調査したものではないからです。第一に、老夫婦二人で月38万円などという生活費は多過ぎ。

先日、とある知り合いの父が亡くなりましたが、父母は月々の年金18万円で生活していました。3LDKの県営住宅に居住し、車も所有し、さらに貯蓄までしていました。近くの兄夫婦と孫に囲まれて幸せな日々を送っています。

その方が出不精でなかったら、年に1~2回くらい旅行に行くこともできたはずです。その方の実例から考えると、多少贅沢な生活をするとしても、月に25万円もあれば十分だと思います。

月収25万円となると、住宅ローンを抱えて、家族3人を養っている多くの35~40代の手取り収入とほとんど変わりありません。ボーナスがある分、年収ベースでは、多少高収入になると思いますが・・・。

「アンケート調査を行った結果によると・・・」という枕詞ついた数字は、疑ってかかるほうが賢明です。どういう目的でアンケートを行ったのかその背景を知らないと、数字のマジックに騙されます。

この生命保険文化センターというのも、実際は生命保険会社が運営している団体ですので、目的は年金保険や投資型保険などの金融商品を売るために、老後の生活不安を強調する役割を果たしていると思われます。

「老後の生活資金は1億円必要です」と若い世代に宣伝し、なおかつ公的年金の不安も煽り、今から自助努力が必要ですよと、言葉たくみに金融商品を売り込んで来るというストーリーが目に見えるようです。

売り手側からの情報は、商品を売るための撒き餌だと思ってください。今は、インターネットで何でも調べることができるのですから、売り手の都合の良い情報に惑わされないようにしなければなりません。

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